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掃溜日誌

日々の戯言や剣道の話、その他もろもろ

   

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あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。

 遅ればせながら、新年のあいさつをさせていただきます、針井です。

 今年もどうぞよろしくお願いします。

 去年はまったくと言っていいほど小説の執筆とは無縁でしたからね。

 今年こそは、少しでも書いていきたいと思います。

 特に空想科学祭。

 どうやら例年通りに今年も開催予定だそうで。

 去年は参加しませんでしたからね、今年こそはと目論んでいる次第でございます。

 とりあえず、いい原案が思い浮かべばいいですけども。

 まあ、こればっかりは分かりませんです。



 話は変わりまして。

 戦闘描写を書いてみようと思いたち、短い一場面ですけども書いてみました。

 続きにたたんでおきましたので、よろしければどうぞご覧ください。

 では、本日はこれにて失礼します。








 その時。何かの気配を感じたのか、ルティアは背後に視線を向けた。
「ふふ、お目当て様のお出ましね」
 不敵な笑みを浮かべるルティア。しかし、彼女の見つめる先は特に変わった様子もなく、周りがそうであるように、木々がそびえ立っているだけ。目を凝らしても、ネズミ一匹見つからない。
 彼女の声に慌てて振り返ったアルクスは、あからさまに眉をひそめ、ルティアを横目で睨み付けた。
「なぁ。あんた、俺を馬鹿にしてんのかよ」
 唸るような声でぼそりと呟く。
「何もいねぇじゃないかよ。A級ハンターが、聞いてあきれる。ガキ一人からかって、満足かよ」
「そうかしら?」
 ルティアは別段変わった様子もなく、ただただ静かに答えた。
 背中に回してあった剣を左腰に、右手をその柄に掛ける。流れるようにとった体勢は、まさしく抜剣の構え。
「来るわよ」
 そう言ったのと、果たしてどちらが早かっただろうか。森の奥から聞こえたのは、大地を揺るがすほどの凄まじい咆哮。同時に辺りを暴風が吹き荒れ、アルクスは思わず目をつむった。
「──ひっ!」
 森中に響き渡る、木々の砕け散る轟音。恐ろしい速度で近付いてくるその存在に、意に反して体は竦む。
 ルティアはとっさに抜剣の構えを解き、身動きがとれないアルクスの腕を掴んで、横っ飛びに跳ねた。

 刹那。

 先ほどまで二人が立っていたちょうどその場所に、森の奥から黒い巨大が突っ込んだ。激しい衝撃に、もうもうと土煙がたつ。
「う、あ……。コイツ……、まさかドラゴン?」
「いいえ、竜種はもっと特別よ。あんなのは、ただ図体ばかりでかいだけのトカゲ。そうとしか言わない」
 冷静に告げるルティア。しかし、素人に言わせてみれば、まさにアルクスの反応こそが正解だと思われるだろう。
 人間など一飲みにできそうな巨大を、見るからに重厚そうな、黒光りする鱗が覆い隠している。口元から覗く鋭い牙も、手足に輝く太い鉤爪も、軽く振るうだけでたやすく人を引き裂くことができそうだ。
 背中にある巨大な両翼は、その体を宙に舞わせるのにふさわしい。この姿を竜と呼ばずして、一体何を竜と呼べばよいのだろうか。
 濁った黄金色の瞳が、ぎょろりとルティアに差し向けられる。そして再びの咆哮。しかし彼女は、魔物の威嚇にも動じない。柔らかな微笑みを崩さない。
「正確に言えば、竜族の下位種ね。知能も遥かに低い、魔力にしても比べものにならないわ」
 澄んだ金属音を鳴らして、ルティアは剣を抜いた。装飾のほとんどない細身の剣は、されど美しく研がれた刃をもち、誇り高く煌めく。まるで自らこそが、ルティアの牙であることを示すかのように。
「魔力が低いから魔法が使えない。だからブレスの心配もない。キミは下がって見物でもしてなさいな」
 背中越しに、アルクスに語りかける。
「ちょ、いくら下位種だっても、竜族には変わりないだろ!? あんた一人でっ……」
「もしかして、心配してくれてる?」
「──っ! ちげぇよ!」
 ルティアの言葉を、声を張り上げて否定するアルクス。ふっと小さく息を吐き、ルティアは言う。
「A級ハンターに、心配は無用よ」
 すっと目が細められる。柔らかな表情はそのままに、身にまとう気配が、鋭い刃の切っ先が如く研ぎ澄まされていく。例えるならばそう、盾が矛に成り変わっていくかのように。
 その変化を、魔物は野生の本能で感じ取ったのだろう。低い唸り声を上げながら、じり、と僅かに後ずさる。
 瞬間、ルティアは跳んだ。
 甲高い金属音。すれ違いざまに斬りつけた一撃は、的確に魔物の左翼付け根付近を捉えていた。
「グアァッ!」
 三度、魔物が哮る。
 しかしルティアの刃は、魔物の強靭な鱗に阻まれ、その肉体を傷つけるまでにはいたらない。予想外の結果に、ルティアは少しだけ目を見開いた。
「へえ、鱗は結構硬いみたいね。ちょっと時間もかかりそうだわ」
 右手の剣を左手に持ちかえ、腰のベルトからナイフを引き抜く。そうして握った二振りの得物を、体の前に構えた。
 ルティアの斬撃を受けた魔物は、自らが認識出来ないほど瞬間的な出来事に怯み、そして激怒した。久しぶりの獲物だったのに、ちょこまかと動き回るそれは、まるで耳元で飛び回る羽虫のよう。直ぐにでも引き裂いてその血肉を味わいたいのに、あろうことか予想外の反撃まで受けてしまった。自慢の鱗のおかげで直接的な傷は受けなかったものの、魔物の自尊心は深く傷つけられたのだ。
 魔物は猛り狂った。所詮はケダモノの限界点、少しでも理性があればルティアの実力を悟り、すぐにでも撤退するであろうに。
 だが、ソイツは分からなかった。危険は感じ取れても、勝てるかまでは判断できない。結局、それが命取りになった。
 高ぶる怒りそのままに前足を振り上げ、その強靭な鉤爪でルティアを屠ろうとする。力任せのその攻撃を、ルティアは逃さなかった。
 直線的な一撃を、絶妙な体捌きでかわし、巧みなナイフ捌きによって右後ろに擦り流す。
 そうして無防備になった魔物の肩口に、先ほどは弾かれるだけだった剣を、力の限り突き刺した。
 深紅の鮮血が宙に舞う。
 たまらず魔物は後足で立ち上がり、激痛に吼えた。
 魔物の背から転がり落ちたルティアは、そのまま懐に潜り込み──。
「これでおしまい」
 鱗の少ない柔らかな腹部に、ナイフを深々と突き立て、引き抜いた。
 森中に響き渡るは魔物の断末魔。
 そして、その声が次第に小さくなってきた頃、黒い巨体はどうと大地に倒れ伏した。
 ルティアは刺さったままの剣を抜き、血払いをして鞘に収めた。
「すげぇ……」
 呆けたままのアルクスの口から、呟きが漏れる。
 まさに圧倒的な実力だった。自らの何倍もある巨大な魔物に怯むことなく立ち向かい、何食わぬ顔で倒してしまう。
「どう? 少しは見直して貰えたかな?」
 そうしてルティアは、崩すことのなかった微笑みのまま、アルクスに向き直るのだった。

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あけましたね

2010年も無事明け、2011年がやってまいりましたね。
今年もよろしくお願いします。

それはさておき、戦闘描写ですよ!
いや、久しぶりにしっかりした戦闘描写を見た気がします。
戦闘シーンだけでなく竜の質感、存在感もよく書かれていますね。かと言って描写表現がしつこくないのはさすがでしょうか。
戦闘描写とは関係ないんですが、「どうと倒れ伏した」という表現にセンスを感じます。なるほど、こういう表現もあるのかと。
重い物が倒れると「ずしん」辺りになりがちですが、「どう」というのは良いですね。
重々しさを感じられる表現です。
描写にスポットを当ててブログに書くのもなかなか面白いですねえ。なにより手軽ですし。

求められてもいないのに寸評してしまってすみません。
それでは。

>平Tさん

こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

戦闘描写、良かったですか!?
ありがとうございます、ホントに久しぶりに書いたので、どうだろうかと心配だったのです。
竜の描写はちょっと本筋から離れてたりしてくどいかな~、と思ってたんですけど。そうはなかったみたいでよかったです。

いえいえ、寸評ありがたいです! どうも自分では良い所も悪い所も分かりにくいもので。
ではでは、コメントありがとうございました~!

初コメです。

初めてコメントさせて頂きます。
七瀬 夏葵(ななせ なつき)と申します。
モンスターとの戦闘って難しそうですよね!
スピード感と緊張感のある描写にドキドキしました!
いい勉強をさせて頂きました!
有難うございました!

>七瀬さん

初コメント、ありがとうございます!
モンスターとの戦闘、結構自由度高いんで、割に好き勝手できて楽しいですよー(笑)。
今回だって、なんやかんやと理由付けて火をはかなくしましたから。
いえいえそんな、めっそうもないお言葉!
今後ともよろしくお願いしますー。

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